
試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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昨年、新型Eクラスとして登場したW212型セダン。その興奮もさめぬままEクラスに久々のクーペが追加された。そして、それからおよそ一年、今度はクーペをベースとしたカブリオレがお披露目されることとなった。もちろん、クーペがオープントップを兼ねるリトラクタブル・ハードトップでなかったことから、今回のソフトトップ式オープンモデルが出ることは容易に予想できただろう。それはともかく、ひと足早く販売がはじまったステーションワゴンを含むEクラスファミリーが、これで完成したことになる。
では、そのカブリオレのコンセプトだが、それは「four seasons, four personalities(四季折々、4人乗り)」となる。要するに、快適性を高め1年中オープントップを楽しめるということだ。確か昨年リリースされたMINIのコンバーチブルが「always open」だったと記憶する。となると、いまオープンモデルのトレンドは明らかに“全天候型”ということだ。
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試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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前述ように、カブリオレはクーペからおよそ一年経って追加された。もちろん、そこにはマーケティング的な戦略も含まれる。矢継ぎ早にニューモデルを出したのでは、どれも早く飽きられてしまうからだ。ただ、担当デザイナーに経緯を訊くと、理由はそれだけではなかった。ファーストドローイングは同時であっても、同一の人間が担当するため完成車は順番に行なわなければならなかったのだ。
さて、そうして出来上がったカブリオレは、スタイリング全体からして極自然な調和の取れたものとなった。しかも、トップを開けた状態はともかく、閉めたときのシルエットも悪くない。で、その辺の話を探っていくと空力特性にたどり着く。ご存知のように新型Eクラスは環境対策上の省燃費にこだわっている。つまり、このカブリオレもそれを追求した結果、流れるようなフォルムに仕上がったのだ。Cd値0.28はクラストップとなる。
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試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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インテリアに目を移すと、セダン/クーペと変わらぬメルセデスの世界。そして、そのコンソールにトップを開閉するスイッチが備わる。すべての窓が一度開き作動後に閉じるのはこれまでと変わらない手法だ。
ここでの装備で特筆するのは、まずエアスカーフ(AIRSCARF)がある。それはヘッドレストの吹き出し口から温風が出て、冬のドライブを快適にするもの。確か、はじめにSLKシリーズに、その後SLシリーズに装備されたと思う。まぁ、その効果は言葉では伝えにくいので是非ディーラーで体感してみてほしい。
快適装備はもちろん、安全性に抜かりがないのもメルセデスとしては当然のこと。補強されたピラー類の他にはリアヘッドレストにロールバーが内臓され、横転の可能性を察すると瞬時に飛び出てキャビンを守る。また、メルセデスのカブリオレに初めて搭載されたSRSヘッドバックにも注目。これはドアパネルのベルトラインあたりに内臓されていて、衝突時には瞬時に膨張して乗員の頭部側面を保護する。エアバッグは標準で7個、オプションでリアサイドエアバッグが用意される。
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試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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新型カブリオレには幅広いレンジのエンジンが用意される。排気量違いのクリーンディーゼルとガソリン直噴ユニット、それとハイパワーのV8といったラインナップだ。ただし、日本導入はV6 3.5LのE350のみ。
ステアリングを握ったのはその250CGIと350CDI、それと500カブリオレ(日本的にいえば550)だ。で、そのすべてに共通していえるのが、どれもピタッと路面に吸い付くような走りができること。ある意味屋根がなくなったことで振動エネルギーが放出され、嫌なシェイクを感じさせなくなっている。
特にステアリングの安定性はEクラスの中でもピカイチ。しっとりした操舵感は、大排気量のV8モデルでも得られた。通常、この手のハイパワー車は足を硬く締めすぎて無用にピッチングを発生させる傾向にあるが、今回はそれがなかった。
クリーンディーゼルの振動も心配無用。走行中はもちろん、信号待ちでさえCDIであることを忘れさせる。ディーゼルであることを実感するのは加速時に太いトルクを発揮したときだ。
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試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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ここまででいろいろ記してきたが、まだ最大の目玉について触れていない。
その技術とは、エアキャップ(AIRCAP)。
フロントウィンドーの上の面がスイッチひとつでフラップとして立ち上がり空気の流れを変えるというのだ。彼らはそれを自動ドラフトストップとも称し、キャビンに“暖かい空気の海”を広げると明言する。確かに、稼動させると室内に入り込む乱流を大幅にカットすることで吹き出し口からの暖かい風をそのままカラダで感じることができた。特に顔の前の風が止んだことで、風に当たる疲労感は激減する。
とはいえ、上がったフラップとウィンドウフレームの間の網に細かいゴミや虫が捕獲されるなど、完成度としては100%とはいえないところもある。それにフラップが上がった状態のスタイリングがかっこいいかといえば首をひねざるえない……。
といったEカブリオレだが、カブリオレを徹底的に進化させようとする姿勢と実際にこういうクルマを市販することにメルセデスたる所以を感じる。クルマを単なる移動手段にしない。これこそいま自動車メーカーがしなくてならない最大の使命だと思う。
試乗日:2010年3月1日
ロケ地:フランス・ニース周辺
天候:晴れ
文:九島辰也
撮影:メルセデスベンツ日本
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