
試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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世界一過酷なサーキットと呼ばれ、世界の多くの自動車メーカーが開発テストの場として用いているのが、ドイツにあるニュルブルクリンク北コース。一周20kmを越えるロングコースで、ここでの1LAPはヨーロッパの道を1000kmテストしたことにも匹敵すると言われるほど、テスト車両に大きなストレスが加わることで知られる。
スバルの多くのモデルが走りの正確さで高い信頼を得ているのは、ニュルブルクリンクでの走り込みをしっかりと行ってきたからこそなのだ。その開発のトップにいた人物が、現在のSTI開発部長であり、日本を代表するニュルブルクリンク・マイスターの一人と言われる辰巳氏。「しなやかで強靭なシャシ」をコンセプトに、多くのSTIコンプリートカーを生み出してきた中心人物でもある。
そして今回、スバルのトップモデル「レガシィ・シリーズ」に、これまでニュルを走りこんできた辰巳氏のノウハウがフルに投入された「2.5GT・tS」がデビューした。STIが新たに採用する「Sport Always」をキーワードに600台限定で販売される、こだわりの1台である。
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試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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STIチューンとはいえ、ベースがレガシィであるだけに、サーキットでタイムを狙うようなハードな味付けではない。乗っているすべての人が気持ちの良い走りを感じられるように開発したと言うシャシは、強靭なボディにしなやかなサスペンションを組み合わせると言うのが基本だ。
チューニングテーマは、ひと回り大きくなったボディを感じさせない正確なハンドリングと、トップモデルらしい快適性を両立させること。ボディには足回りの正確な動きをサポートする追加フレームや、横方向の入力には強く縦方向の力はいなしてくれるフレキシブルタワーバーなどをフロント回りに採用。
サスペンションはアームの支点にピロボールを積極的に採用することで、スムーズな動きを生み出している。この動きを正確に収めてくれるのが専用のビルシュタイン製ショックアブソーバ。もちろんスプリングの強化によって、しなやかさばかりではなく、強大な旋回Gへの対応も実現している。
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試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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走り出してすぐに感じられるのが路面追従性の良さだ。荒れた路面を通過する時にも、足が突っ張らずスムーズに動き、タイヤ上下動の収まりも早い。路面からのショックを足が吸収してくれるのでボディの動きが少なく、結果、音の発生も抑えられ、ノーマル同様の静粛で快適な室内を実現している。
ペースを上げていくと、ベースモデルで感じた初期のグラッとする動きが抑えられ、ロールの進行が穏やかになっていることがわかる。お尻の下あたりがグッと路面に沈み込んでいくようなロールだから、外側に持っていかれるような不安感は少なく、旋回中のトレース性も実に正確。適度なロールを伴いながらの旋回なので、急激なGの抜けが少なく、限界付近の動きもつかみやすい。ボディの大きさを感じさせない軽快なハンドリングと言える。
もっともワゴンに関しては、重量に対してやや減衰が弱く感じられ、わずかに上下動が残る。セダンのほうがベストバランスだ。
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試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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このtSモデルは、今までのSTIラインアップにあったSとRシリーズを除いたすべてのモデルの統一グレードとして今回から採用されたもの。
ハンドリングを主体として磨き上げることを基本としているため、エンジンには手を加えていない。tSシリーズの第一弾となったレガシィだが、ベースモデルが2.5Lターボということもあって、ノーマルながらパワー的には十分。さらに、スロットルをオフにした時「ボボッ」と腹に響くサウンドを演出する専用マフラーが走りの力強さを感じさせてくれる。
室内に目を向けると、シート表皮は専用のアルカンターラを採用。ドアトリムやアームレストなどと共通の赤いステッチが施され、チタンカラーを基調とした専用のインパネとのコントラストが、精悍さと高級感を上手に演出してくれている。このあたりもtSならではのこだわりといえるところで、STIの手になるクルマらしい質感の高いコンプリートカーとして仕上げられている。
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試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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新型レガシィはアメリカをメインターゲットにした。そのため大きくなったボディは賛否が分かれる。
しかし、今回25tSに乗って気づいたのはボディが小さく感じられたこと。ステアリングに対する応答が正確で遅れがないため、狙ったところにピタリとボディが動いてくれるし、ロールの収束が良いため無駄な動きがなく、大きな修正がいらないからだろう。
室内では上下動が少ないことで街乗りから高速走行まで乗員への負担が少なく、「すべての人に気持ちの良い走りを楽しんでもらいたい」というコンセプトが実感できる。ドライバーに緊張感を強いず、同乗者には快適な空間であることがしっかり感じ取れた。
とび抜けたスペックに頼らず、辰巳氏のノウハウとSTIの技術を緻密に積み重ねていったのがこのtSモデル。派手さは無いがレガシィの基本性能の良さをしっかり引き出した上でウイークポイントを削り取った25tSは、乗ってこそその魅力を堪能できるといえるだろう。
試乗日:2010年6月28日
ロケ地:山梨県・河口湖周辺
天候:晴れ
文:瀬在仁志
撮影:村西一海
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